2018/01/21

ALS(筋萎縮性側索硬化症)ってどういう病気?~障害評価~





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記事作成者:nocchiyan 
NSCPT管理メンバー紹介



あけましておめでとうございます。NSCPTメンバーのnocchiyanです!
今年も臨床に役立てるようなお話ができるように日々精進していきますので何卒よろしくお願い致します。

それでは、早速今回は前年に引き続きいてALSの障害評価についてお話します。


(前回記事)
ALS(筋萎縮性側索硬化症)ってどういう病気?~概要:病型・症状・機序・進行速度(予後)について~
ALS(筋萎縮性側索硬化症)ってどういう病気?~診断と生命予後、予後不良因子について~



■目次


 ▶1、ALS障害評価
 ▶2、その他の評価
 ▶3、参考資料



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1、ALS障害評価


ALSの障害評価で一般的に知られているのがALS機能評価スケール改訂版(ALSFRS-R;ALS Functional Rating Scale-Revised)です。
こちらの評価スケールは①会話、②唾液分泌、③嚥下、④書字、⑤摂食動作、⑥階段、⑦歩行、⑧更衣、⑨症状動作、⑩呼吸困難、⑪起座呼吸、⑫呼吸不全の12項目あります。
これらをそれぞれ0〜4点の5段階で評価します。
48点満点となり、点数が低いほどALSの重症度が高いことを示します。



1、言語
4.正常
3.軽度言語障害
2.繰り返すと理解できる
1.言語以外に伝達法を併用
0.言葉にならない

2、唾液
4.正常
3.口に唾液が溜まり夜間漏れる
2.中等度に唾液が多く少し漏れる
1.明らかに唾液が漏れる
0.たえず紙やハンカチをあてる

3、嚥下
4.何でも飲み込める
3.時々むせる
2.食事内容の工夫を要する
1.経管栄養が補助的に必要
0.全面的に非経口摂取

4、書字
4.正常
3.遅く拙劣だが判読できる
2.判読出来ない文字がある
1.ペンを握れても書けない
0.ペンを握れない

5、A 食物を切る・器具を使う〈胃瘻なし〉
4.正常
3.少し遅く拙劣でも介助なくできる
2.遅く拙劣でも介助不要
1.切ってもらえればゆっくり食べられる
0.全面介助

B 食物を切る・器具を使う〈胃瘻あり〉
4.正常
3.拙劣ながら動作はすべて自立
2.閉じる・閉めるに部分介助
1.介助者に少しだけ介助依頼
0.どのような作業もできない

6、身支度と身体の清潔
4.障害なく正常に着る
3.努力をし遅くとも完全自立
2.時々介助あるいは工夫を要する
1.介助が必要
0.全面介助

7、ベッドでの体位変換とシーツ掛け
4.障害なくできる
3.努力を要し遅いが自立
2.やっとできる
1.開始の動作しかできない
0.なにもできない

8、歩行
4.正常
3.すぐ歩行困難
2.介助歩行
1.歩行不能
0.意図した下肢の動きが出来ない

9、階段昇降
4.正常
3.遅い
2.軽度に不安定、疲れやすい
1.介助を要する
0.全く出来ない

10、呼吸困難
4.ない
3.歩行時にでる
2.食事・入浴・身支度一つ以上に出る
1.坐位あるいは安静臥床時に出る
0.呼吸器が必要

11、起座呼吸
4.ない
3.通常は2つ以上必要
2.睡眠に枕が2つ以上必要
1.坐位でなければ睡眠できない
0.睡眠できない

12、呼吸不全
4.ない
3.間欠的にBIPAPを使用する
2.夜間はBIPAPを継続
1.昼夜ともBIPAPを継続する
0.気管挿管または気管切開で呼吸器装着


評価用紙は他のサイトで掲載されていましたのでリンクを掲載しておきます。
評価用紙PDF


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2、その他の評価


ALSの評価バッテリーはその他に以下のようなものがあります。
◉機能的自立度評価
一般的にFIMを使用することが多いです(これに関しては省略)。


◉Modified Norris Scale 四肢症状尺度
こちらは①仰臥位で頭をあげる、②寝返りをする、③仰臥位から坐位まで起き上がれる、④名前を書く、⑤シャツ・ブラウスを自分で着る、⑥シャツのボタンをかける(ファスナーのあけしめができる)、⑦ズボン・スカートを自分ではく、⑧定規をあてて線を引く、⑨フォークまたはスプーンを握る、⑩急須から茶碗にお茶を入れそれを飲む、⑪立ち上がってお辞儀をする、⑫髪をとかす(櫛が使える)、⑬歯ブラシを使う、⑭本や盆を持ち上げる、⑮鉛筆やペンを持ち上げる、⑯腕の位置を変える、⑰階段を昇る、⑱50m歩く、⑲独りで歩く、⑳介助(杖・歩行器・人手)により歩く、㉑坐位より立ち上がるの21項目からなります。点数は0~3の4段階となっており、点数が低いほど重症度が高いことを示します。


◉Modified Norris Scale 球症状尺度
こちらは①息を一気に吹き出す、②口笛を吹く(口とがらしができる)、③頬をふくらます、④顎を動かす、⑤ラララと言う、⑥舌を突き出す、⑦舌を頬の内側につける、⑧舌を上顎につける、⑨咳払いをする、⑩流涎、⑪鼻声、⑫口ごもり・内容不明瞭、⑬食事内容の13項目からなります。点数は0~3の4段階となっており、点数が低いほど重症度が高いことを示します。


◉Frontal Assessment Battery (FAB)
前頭前野の機能をみる認知機能検査であり、臨床でよく使用されています。理由としては検査時間が短いことと特殊な用具を用いないことが挙げられます。FABの検査方法については後日掲載できたらいいなと思います。


◉気管切開下陽圧換気導入後のALSにおける意思伝達能力障害stage分類
StageⅠ:文章にて意思表出が可能
StageⅡ:単語のみ表出可能
StageⅢ:yes/noのみ表出可能
StageⅣ:残存する随意運動はあるが、yes/noの確認が困難なことがある
StageⅤ:全随意運動が消失して意思伝達不能な状態

5段階のStageに分かれており、Stageが高いほど重症度が高くなります。


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3、参考資料


1)大橋靖雄・他:筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の日常生活における機能尺度日本版改定。
2)小田英世、大橋靖雄、他:ALS患者の身体機能評価尺度の信頼性と因子構造.脳神経.1996:48:999-1007
3)Dubois B,Slachevsky A,et al:The FAB:a Frontal Assessment Battery at bedside.Neurology.2000;55:1621-1626
4)林健太郎、望月葉子、ほか:侵襲的陽圧補助換気導入後の筋萎縮性側索硬化症における意思伝達能力障害-stage分類の提唱と予後予測因子の検討-.臨床神経.2013;53:98-103


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最後までお読みいただきありがとうございます。今回は内容が少なくて物足りなかったと思いますがその他の評価については今後少しずつお話をしていこうと思います。次回はADL別の理学療法についてお話します。










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