2016/02/04

これだけでわかる!中心溝の同定方法!







脳画像をみる際に第一に重要になるのが、各脳回の位置です。

脳回の位置関係は、脳溝を同定すればすぐにはっきりしますので、脳溝をしっかり把握できるようになれば簡単ですね♪

脳溝の中でも特に重要なものは中心溝です。

なぜなら、中心溝はその前方に一次運動野、後方に一次感覚野が隣接しており、この両者の脳回の同定につながるからです。
両者は伴に体部位局在(運動と感覚のホムンクルス)があり、損傷有無をみることで運動麻痺や感覚障害があるのかがわかるだけではなく、今後これらの症状が回復する余地があるのかといった予後予測にも用いることができます。

また、中心溝を同定しようとすると、おのずと前頭葉から頭頂葉の溝のほとんどが把握できるようになり、それより下のスライスの脳回の同定にもつながってきます。

では、さっそく中心溝の同定方法を説明していきます。



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■目次


 ▶中心溝の位置関係
 ▶①SFS-PrCS sign:中心前溝は上前頭溝と合流する
 ▶②IPS-PoCS sign:中心後溝の後端は頭頂間溝に合流する
 ▶③pM bracket sign:中心溝の内側端は帯状溝縁部のすぐ前方ある
 ▶④precentral knob sign:中心前回の手指運動野や後方に凸の形状になる
 ▶⑤thick PrCG/thin PoCG signs:中心前回と中心後回は厚みが異なる
 ▶⑥medullary branch sign:髄枝徴候
 ▶参考資料



中心溝の位置関係


まずは中心溝の位置ですが、名前の通り、このように脳の中心部にあります。
中心溝の同定1
画像出典:ウィキペディア(Wikipedia) 中心溝 より改変引用

よく見るCTやMRIなどの脳画像では、この右下の水平断面図が示されています。
中心溝の同定2
画像出典:ウィキペディア(Wikipedia) 中心溝 より改変引用

水平断面でも、ぱっと見で「前後径の中心付近にある溝が中心溝」です。
・・これでは大まか過ぎてわかりにくいですね。
ただ、眼窩外耳孔面と平行な断面で撮影する頭部CTでは、中心溝は頭蓋前後径のほぼ真ん中に位置しますので、だいたいの目安としてこれを知っておいても良いかなと思います。

では、ここからはちゃんと目印をみつけながら探す方法を紹介します。

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①SFS-PrCS sign:中心前溝は上前頭溝と合流する


個人的にはこの方法が一番わかりやすいかと思います。
上前頭溝は前頭葉にあり、大脳縦裂の1本外側を前後に走る脳溝です。そして、上前頭溝の後端は中心前溝と混じり合い、中心前溝は上前頭溝に連続して後端で鋭角に折れ曲がり、前外側に伸びるような形状になっています。カタカナの「レの字」のようになっています。
中心前溝の1本後ろにあるのが中心溝であり、中心溝は他の脳溝と独立しています。
中心溝の同定3
画像出典:ウィキペディア(Wikipedia) 中心溝 より改変引用

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②IPS-PoCS sign:中心後溝の後端は頭頂間溝に合流する


このスライスの画像だと分かりにくいですが、もう少し頭頂側のスライスをみれば中心後溝(青色)と頭頂間溝(水色)の線が混じるような画像になります。画像の水色の線はイメージです。中心後溝の1本前にあるのが中心溝です。先ほど述べた通り中心溝は他の脳溝と独立しています。
中心溝の同定4
画像出典:ウィキペディア(Wikipedia) 中心溝 より改変引用

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③pM bracket sign:中心溝の内側端は帯状溝縁部のすぐ前方ある


矢状面上・水平面のどちらでみても、帯状溝の後端部(帯状溝縁部)は中心溝の後方に位置しています。水平面では帯状溝縁部は中心溝の内側端の後方部に位置していますので、帯状溝後縁部を見つけてすぐ前の外側方向にあるのが中心溝になります。
中心溝の同定5
画像出典:ウィキペディア(Wikipedia) 中心溝 帯状溝 より改変引用

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④precentral knob sign:中心前回の手指運動野や後方に凸の形状になる


中心溝は正中から3cmぐらいのところを中心に後方へ凸(もしくは逆Ω)のような形状をしています。この突出部分の内側には、―次運動野の手の運動領域(図の*)が存在することで有名です。
中心溝の同定6

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⑤thick PrCG/thin PoCG signs:中心前回と中心後回は厚みが異なる


脳回の厚み(前後幅)は中心前回>中心後回となっていますので、脳回が厚い方が中心前回、薄い方が中心後回となります。これは皮質回白質の幅も同様です。
中心溝の同定7

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⑥medullary branch sign:髄枝徴候


脳溝は若年者や占拠病変がある場合には幅が狭いため、わかりにくくなるため、このような場合に有用です。白質髄枝は半卵円中心から外側に伸びており、前方から上前頭回、中前頭回、中心前回、中心後回、上頭頂小葉、下頭頂小葉の6つに配列しています。
中心溝の同定8

⑥の方法は、半卵円中心の水平断面で使用できます。

上述した①~⑥の画像は、頭頂部から半卵円中心までの構造ができるだけみられるような同一画像を一枚だけ用いて作成したので、解説が若干わかりにくくなったかもしれませんが、①~⑤までの方法は、掲載した画像よりもさらに頭頂部側の画像をご自身で確認して頂けるとより明確にわかるかと思います。


今回、中心溝の同定方法を掲載しましたが、他にもいろいろな方法があるようです。

たくさん覚える必要はないかもしれませんが、脳溝、脳回には個人差があり、単一の方法だけを用いて判断を行うことは非常に難しいと思いますので、今回挙げたものだけでも覚えて使用していただけたらと思います。

なお、最初に触れたとおり、中心溝が同定できると錐体路の損傷有無もみることができるので、同定方法が理解できた方はこちらの記事もご参照ください。

(関連記事)
皮質脊髄路(錐体路)の走行と脳画像の見方

(おすすめ記事)
脳画像をみるための参考資料まとめ

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 参考資料


1)高橋昭喜:読影に必要な基礎知識 ②中心溝の同定.JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION 2012;21(2)114-118.
2)脳血管障害の画像診断 [ 高橋昭喜 ]:脳回・脳溝の同定.中外医学社,2003 
 Summary>非常に分厚い資料ではあるが、各種画像の検査方法の活用の仕方は勿論、実際の脳画像があらゆる方向からふんだんに使用されており、各組織の位置関係が細部まで丁寧に掲載されている。複雑な脳内構造のイメージが理解しやすいものとなっており、病態における画像診断まで解説されている。
3)ウィキペディア(Wikipedia) :https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8

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コメント

非公開コメント

わかりやすい!!
ありがとうございます^^

Re: タイトルなし

> わかりやすい!!
> ありがとうございます^^

コメントありがとうございます。
まだ記事を書くことになれていませんが、読んで頂ける方によりわかりやすい情報を提供できればと考えております。
今後とも宜しくお願いします。