2016/03/15

脳卒中片麻痺患者の運動麻痺の最終帰結を予測する






脳卒中を発症した患者さんの運動麻痺はどの程度まで改善するのか!?


予後予測には様々なものがありますが、これだけに着目してみてみると、非常に単純かつ簡便にわかる論文があるので紹介します。


二木立 脳卒中患者の障害構造の研究の題名


この論文は、脳卒中リハを行っている人であれば知らない人はいないといっても過言ではない、二木立先生の論文です。

非常に細かい臨床データの収集、解析、考察がなされており、勉強になるだけではなく、80年代にこのような有用なものが出されているかと思うと、いつも感心させられています。



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この論文の中では、発症時から6か月経過時点までのBrunnstrom Recovery Stage (以下BRS)の変化がStageごとに分析されています。
BRSがわからない方はこちらの記事をご参照ください。
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Brunnstrom Recovery Stage 運動麻痺の評価

発症時と6か月経過時のBRSを分割表にすると、以下のようになっていました。
BRS発症時と6か月時の分割表
*印は発症時のBRS別に、平均Stageの発症後の変化(統計的な差:有意差)があったかどうかが示されており、上下肢ともに、ⅠとⅡ、Ⅲ、Ⅳ~Ⅵの3群間でその後の回復に著しい差を認めています。

赤い波線と矢印をつけていますが、特に注目すべきはⅢとⅣ~Ⅵが大きく分けられる点です。

BRSⅢ以下では、6か月経過時点もStageが変化しないものやStageが低いものが存在していますが、BRSⅣ以上ではほぼ全症例がBRSⅥまで改善を認めています。

上肢を例に見てみると、発症時BRSⅣの14人中13人(92.9%)は6か月経過時点にBRSⅥに到達しているのに対し、発症時BRSⅢでは37人中17人(45.9%)、さらにBRSⅠとⅡでは44人中6人(13.6%)がBRSⅥに達したにすぎません。

つまり、上下肢伴に発症時BRSⅣ以上であれば、運動麻痺は(非麻痺側には劣るが)非麻痺側に近いぐらい良好な状態に改善することがわかります。

BRSⅢ以下の症例に関してはばらつきが大きく、どの程度まで改善するかという明確な結論は得られていません。


今回紹介した結果を臨床で利用すれば、発症時にBRSⅣ以上である患者さんには最終的(6か月経過時点)にどの程度まで改善するかといったおおよその状態を提示することができます。

しかし、この結果だけではどの程度の期間で麻痺がBRSⅥのレベルに達するのかは提示できません・・

この問題に関しては、運動麻痺の改善とプラトーまでの期間をご参照ください♪
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参考資料


1)二木 立:脳卒中患者の障害の構造の研究―(第1報)片麻痺と起居移動動作能力の回復過程の研究.総合リハビリテーション.11(6);1983:465-476.
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