2016/07/06

誰でも分かる胸部レントゲン画像の見方! シルエットサイン?






僕たち理学療法士は呼吸理学療法を行う職種でもあり、よく臨床で胸部レントゲンを確認します。
特に、シルエットサインよく使うかと思いますが、これがまたよく忘れますね・・笑

自分のメモのためにもわかりやすくまとめたものが欲しいと思ったので、今回簡単にまとめさせていただきます。



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■目次


 ▶レントゲンの基本
 ▶シルエットサインとは
 ▶シルエットサイン 各肺区域との対応
 ▶境界線が不鮮明になるパターンのバリエーション
 ▶参考資料・おすすめ書籍



レントゲンの基本


X線は人体を通り抜けますが、人体のそれぞれの構造物のX線の通り抜け易さ(透過性)は異なります。
胸部レントゲンでは、各構造物のX線の通り抜け具合を濃淡の画像で表現しています。

X線を良く通すものが「黒」

通さないものが「白」 

という風に、画像では表現されています。

たとえば、骨はX線を吸収して透過させないため、画像上は最も白くみえます。
逆に、ほとんどが空気を含む肺胞では、X線が吸収されずに透過するため、画像上は黒にみえます。
X線のとり方


通常、正常な胸部レントゲン写真では、このような構造物ごとに異なる透過性があるため、画像上の構造物同士の境界は線を引いて分けられる程度に明瞭です。

実際の画像では、赤線で示したようなラインで肺と縦隔部、肺と横隔膜、下行大動脈の境界が分けられます。
シルエットサイン


そして、このライン(境界線)を利用して肺のどの区域が異常を呈しているかを評価する方法が「シルエットサイン」です!

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シルエットサインとは


「シルエットサイン」とは、同程度の陰影をもつものが隣接して存在した場合に、本来見えるはずのこのライン(境界線)が不鮮明になる現象を示しています。

先ほども述べたとおり、肺は空気が含まれているので正常では画像上黒く見えますが、肺炎などで肺胞の一部が炎症を起こして滲出物が多くなった場合、胸水、無気肺などでは、その部位の透過性は水と類似してくる(透過性が悪くなる)ために白くみえるようになります。

そのため、元々この境界線を作っている心臓や動静脈、横隔膜の陰影と肺炎部分が隣接すると、隣接部が不明瞭になり境界線が乱れます(シルエットサイン陽性)。

・・既にお分かりかと思いますが、臨床的に何が有用かというと、境界線の乱れたところに無気肺などの病態があるということになりますね。

また、この境界線にはいくつかの曲線がありますが、この曲線は特定の構造物と肺区域で構成されていることから、曲線(構造物)と対応する肺区域を覚えておけば、ある曲線が不明瞭になっているときにはどこの肺区域に問題が生じているかがすぐわかります。

シルエットサイン 各肺区域との対応


以下に主なシルエットサインと肺区域との対応を掲載しておりますので、しっかり覚えておきましょう!
誰でもわかる 胸部レントゲン画像の見方 シルエットサイン
>右第1弓 上大静脈または上行大動脈の辺縁(右S3)
>右第2弓 右心房の辺縁(右S4/5)  
>右横隔膜(右S8)

>左第1弓 大動脈弓部の辺縁(左S1/2) 
>左第2弓 肺動脈(左S3)
>左第3弓 左心房(左心耳)の辺縁 (左S4)
>左第4弓 左心室の辺縁(左S4/5)  
>左横隔膜(左S8)

>下行大動脈中部(左S6)
>下行大動脈下部(左S10)

※「第○弓」とありますが、これは左右の曲線の順番を示しているだけなので、右第1弓は右の上から一つ目の曲線、右第2弓は右の上から二つ目の曲線のことを示しています。左もこれと同様に上から4つの曲線があります。ただ、第何弓目といったことは覚えてもあまり意味をなさないため、ちゃんと形を覚えていれば良いかと思います。

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境界線が不鮮明になるパターンのバリエーション


シルエットサインについてはおおよそ理解できてきたかと思います。
あとは、臨床でこれが読影できるだけ!・・ですが、実際にやってみると、はっきり境界がみえなくなるものだけではなく、微妙に境界がみえるものがあったりとなかなか難しいです。
境界線が不鮮明になるパターンはいくつかのバリエーションがありますので、このパターンを覚えておくと肺内のイメージがつきやすく、読影がしやすくなるのではないでしょうか。
シルエットサイン X線画像のイメージ図

②の場合は隣にくっついているので境界線が明らかになくなり、シルエットサイン陽性がわかりやすいです。
しかし、③④の場合は前後(腹側と背側)に若干ずれて病巣がある場合で、胸部レントゲン写真上は陰影が若干ぼやける程度になるので、見逃し易いです。

病変を見逃さないように注意しましょう!

胸部レントゲンを確認した後は、実際にベッドサイドで患者さんを評価し、聴診などの所見も合わせて病態を考えていきましょう。
こちらの記事が参考になるとか思いますので、興味があればみてみてください。
(関連記事)
体表からみた肺の位置関係


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参考資料・おすすめ書籍


今回参考にさせていただいたのは以下の二つの書籍です!

両者ともかなりのおすすめ書籍ですが、特に前者はかの有名な宮川先生の本で臨床で困ることの隅々まで手が行き届く内容になっています。治療に直接役立つスクィージングの方法も丁寧に画像やDVDを使用して解説されており、非常に役立ちます。

後者の本は、胸部X線の本当に細かいところまで見たい方におすすめです。
マニアックだけどかなりわかりやすく掲載されていますので、僕も新人の頃に何度も見返して使っていました。
今でもたまに見ています笑







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