2017/03/10

最新版!!Stroke 2016年成人脳卒中ガイドライン(上肢編)






記事作成者:kabachan 
NSCPT管理メンバー紹介

  
はじめまして。NSCPTに新規加入させていただいたkabachanと申します。

2016年にStrokeで成人脳卒中ガイドライン(Guidelines for Adult Stroke Rehabilitation and Recovery A Guideline for Healthcare Professionals From the American Heart Association/American Stroke Association )が発表されました。近年、脳卒中の治療介入は目まぐるしく変化していますが、EBM(Evidence based medicine)に則ったリハビリテーションを行うには、ガイドラインの存在は不可欠と思われます。

そこで今回はガイドラインの中から上肢のリハビリテーションについての内容を翻訳致しましたので掲載させていただこうと思います!

宜しくお願い致します。

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■目次


 ▶1、ガイドラインの意味とは?
 ▶2、エビデンスの分類
 ▶3、序文
 ▶4、課題特異的訓練
 ▶5、CI療法
 ▶6、両側性上肢運動
 ▶7、ロボット療法
 ▶8、NMES、メンタルプラクティス、VR
 ▶9、その他
 ▶10、エビデンス、グレード一覧



1、ガイドラインの意味とは?


ガイドラインは直訳すれば「指針」や「指標」などと訳されます。医療で言われるガイドラインは診療ガイドラインとして言われることが多いと思われます。診療ガイドラインとは「医療現場において適切な診断と治療を補助することを目的として、病気の予防・診断・治療・予後予測など診療の根拠や手順についての最新の情報を専門家の手で分かりやすくまとめた指針である。」と定義されています。
間違ってはいけないのは、あくまで指針というだけであって、必ずこれに沿わなければならないというわけではなく、対象者に合わせた個別性のあるリハビリテーションを行う必要性があります。

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2、エビデンスの分類


本ガイドラインを読むにあたって、そのようなものが根拠のあるもので効果が示されているのか?ということを示す分類があります。それが以下のようなものです。


推奨度合いとエビデンス分類:Stroke2016
図:推奨度合いとエビデンス分類 
引用源>Guidelines for Adult Stroke Rehabilitation and Recovery A Guideline for Healthcare Professionals From the American Heart Association/American Stroke Association: Stroke. 2016;47:e98-e169.


根拠が証明されている研究手法やその内容のレベルに応じて、エビデンスレベルや推称グレードが決められています。簡単に説明すると緑(ClassⅠ)が行うことを勧められ効果も高く、赤に寄っていく(ClassⅡa〜Ⅱb)ほど、効果は少なくなっていき、赤(ClassⅢ)は効果なく行うことを勧められないということです。また、縦軸の青で示されているのは、研究の質によるレベル分けであり、いくつかのRCTまたはシステマティックレビュー(Level A)、1つのRCTもしくは非無作為化試験(Level B)、ケーススタディや専門家の意見など(Level C)で分けられています。

それでは次の項目から翻訳を掲載していきたいと思います。部分的に適切な日本語ではないところもあるかと思いますが、ほぼ直訳のまま掲載したいのでご了承ください!

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3、序文


脳卒中を経験した人の大部分は上肢機能の問題を伴う。最も一般的なものは麻痺であり、ほとんどのケースで機能障害の鍵となる。脳卒中後、ほんの一部の人しか十分な上肢麻痺の改善は得られず、残りの人は上肢活動に機能障害、活動制限、参加制限が残存し長期化する。日常で上肢活動を行う能力がない人は日常生活の自立を失い、また大切な作業(職や運転など)も失うこととなり、施設に入る要因となり得る。

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4、課題特異的訓練


課題特異的訓練、すなわち機能的な課題訓練は、行動の練習がその行動の改善結果をもたらし、運動スキルの学習または再学習に焦点を当てるということに基づいている。課題特異的訓練の要素は多くの上肢介入を組み合わせている。例えば非麻痺側上肢を拘束するCI療法(Constraint-induced movement therapy)や、NMES(神経筋電気刺激)など。多くの研究によれば、課題特異的訓練の大切な要素は、繰り返し行うこと(repeated)、難度の合った機能練習(challenging practice)、目標志向であること(task-oriented)とされている。課題特異的訓練中の体幹抑制には、代償的な体幹運動と近位の運動制御を促進するのに有益である。上肢の筋力を強化することも、改善には補助的に良いかもしれない。療法時間が許すとき、または活動の強化を測りたい時には正式な療法中(リハビリ室での練習)ではなく、それ以外の場所で(生活の空間、病棟の空間)行えればよい。

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5、CI療法


CI療法は通常の療法に比べて、手首のコントロールや指の伸展など最低限のベースラインの能力を有する個人に対して、上肢活動、参加およびQOLが改善することを証明している。CI療法が他の療法に比べて量に見合った改善が得られるかどうかは明確ではない。CI療法はオリジナルの方法で3〜6時間/日の5日/週を2週間行うか、修正版であれば1時間/日の3日/週を10週間行うことができる。修正版CI療法についてはオリジナルと同等の改善効果が現れてきているが、まだ広くにわたって試験されているわけではない。

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6、両側性上肢運動


両側性上肢運動はCI療法のように良い研究がまだない。2つのメタアナリシスと近年の研究では、介入なしの群と比較して小さいが測定可能な利点があることが示唆されているが、他の課題特異的訓練と比較して一定の優れた根拠はまだない。最近の試験では両側性上肢運動はCI療法や修正版CI療法と比較して、個別的に手首や指の動きは維持されるという効果が(CI療法と)同様にあるかもしれないと示されている。

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7、ロボット療法


特に脳卒中後で個別的に重度な麻痺を呈している人は上肢機能が改善する可能性が大きく減少する。ロボット療法はこれらの人にとって、より多くの運動量を提供することができる。上肢ロボットには様々な種類があり、リハビリテーション施設で用いるような仕事用デバイスだけでなく、家庭でも用いることのできる着用可能な外骨格デバイスも含まれます。2012年に更新されたコクランレビューではロボット療法はADLと上肢機能には有効であるが、上肢の筋力には効果がないことが判明した。トレーニングの期間、量、使用された特定の装置、研究された患者集団に関する試験内の変化は、これらの結果の解釈を制限する。さらにロボット支援療法で実施された研究の多くは、投与量を一定した上肢運動療法とではなく従来の療法と比較している。比較対象として用量を統一した運動を組み込んだ研究では、この2つの治療の効果にほとんど違いがないとされている。全体的にロボット療法は上肢の運動機能と参加にいくつかの利益があることが明らかになったが、従来の上肢訓練を同程度の量行った場合と比較すると差は明らかではない。

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8、NMES、メンタルプラクティス、VR


NMES:NMESは最小限の能力のある者の随意性のある筋肉の活性化に使用することができる。課題特異的訓練と組み合わせて使うことで、特に手や手首の筋に使用した場合、上肢活動の改善に有益である可能性がある。または、肩の亜脱臼を予防または矯正することは有益である。

メンタルプラクティス:精神訓練、精神イメージは上肢運動練習の補助として有用となり得る。精神的訓練の初期訓練は実際の療法中に行うが、それよりも追加されて行う精神的訓練は正式な療法中以外の場面で起こる。運動療法と精神的訓練は統合することは可能である。長期間の精神的訓練は、より多くの利益をもたらすと思われる。

VR:バーチャルリアリティおよびビデオゲームは、参加への関与および上肢運動の実践の量を増加させる可能性がある。コンピュータベースのビデオゲームは、ハンドヘルドコントローラ(例えば、Wii)およびモーションキャプチャシステム(Xbox Kinect、Microsoft、Inc)を含むものを含む、一般向けのレクレーション目的で広く利用可能である。さらに、これらのシステムは、遠隔監視リハビリシステムとして使用することができる。今日まで、ほとんどの研究は小規模であり、さまざまな技術とトレーニングプログラムを使用しており、一般化は困難であった。コクランレビューは、上肢機能およびADLの点で利点が発見されたが、上肢の筋力の改善は見られなかった。研究は多くの場合が低品質であり、この知見の信頼性を低下させた。脳卒中におけるVRのリハビリテーション効果(EVREST)は他施設、無作為化、臨床試験が実施されており、より確定的な根拠を提供する可能性がある。現時点ではVRとビデオゲームは、脳卒中リハビリテーションの過程で運動の実践量を増やすための合理的な代替手段の1つである。

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9、その他


様々な介入が1つ以上の焦点を当てた研究になっているが、一貫して上肢運動リハビリテーションに有益であるとは示されていない。これらには運動失調に対する介入、徒手アプローチと組み合わせた体性感覚刺激や非侵襲的脳刺激(TMSやtDCS)、ストレッチ、他動運動などが含まれるが、これらは重度に上肢を患った個人に対しての拘縮予防や痙性管理をする一部である。

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10、エビデンス、グレード一覧


以下に一覧を掲示します。エビデンスと推称グレードです!!


Stroke 2016年成人脳卒中ガイドライン(上肢編) エビデンス、グレード一覧

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いかがでしたでしょうか?
現在有用とされているもの、そうでないもの、そして最新のVRなどを利用した介入のエビデンスなどもでてきています。日々最新の医療は前進していくので、目の前の患者さまにも有益であるように我々は常に新しい知識を入れていかなくてはならないと思います。 この記事が少しでも皆様のお役に立てばと思います。本論文は以下のURLから無料でPDFダウンロードできますので、自身で翻訳可能な方は是非見てみてください。


↓StrokeのHPリンクをご参照ください↓

http://stroke.ahajournals.org/content/47/6/e98







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