2015/11/17

日本脳卒中の外科研究会のCT分類(被殻・視床出血)






脳出血による脳損傷(部位、出血量、脳室穿破、mass effectやmid line sift)の程度は、治療方法や予後を決定する有用な情報になります。

被殻・視出血では、血腫の進展部位や脳室穿破有無を用いて脳損傷の程度を示すものとして「日本脳卒中の外科研究会のCT分類1)」があるので、以下に分類方法をご紹介します。



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■目次


 ▶日本脳卒中の外科研究会のCT分類
 ▶CT分類と予後
 ▶参考資料






日本脳卒中の外科研究会のCT分類


血腫の進展方向により分類が行われ、数値が高いほど重症となります。
被殻出血ではⅠ~Ⅴ、視床出血ではⅠ~Ⅲに大きく分類されており、いずれも脳室穿破の有無で「無=a」「有=b」とさらに細かく分類されます。
被殻出血Ⅰ~Ⅴの定義は、内包外側に限局したものをⅠ、内包前脚に進展したものをⅡ、内包後脚に進展したものをⅢ、内包前脚と後脚の両方に進展がⅣ、さらに視床または視床下部まで進展したものがⅤになります。
視床出血Ⅰ~Ⅲの定義は、視床に限局しているものをⅠ、内包に進展したものをⅡ、さらに視床下部または中脳に進展したものがⅢになります。

日本脳卒中の外科研究会のCT分類1)

脳画像を提示できない場合などでも、このような分類を用いて損傷程度を表現することで、より他者に正確な情報を伝達できます。

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CT分類と予後


この分類は、損傷の程度を表現できるだけではなく、CT分類と治療方法(保存的or外科的)によって大まかなADL予後の割合もわかります1)2)。

以下の図の赤線では、ADL自立と介助の境界ラインを示しました。
被殼出血のⅠ(内包外側に限局した病変)では、家庭内自立となる確立が保存的加療で80%、外科的加療で50%になるということがわかり、保存療法で予後が良いことがわかります(※ここでは出血量は考慮していない点に注意!)。
保存療法の場合でも、Ⅲa以上の皮質脊髄路が通る内包後脚部を含む損傷になると顕著に予後不良となっています。
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皮質脊髄路(錐体路)の走行と脳画像の見方

ただし、視床出血の外科的治療に関しては、図を見ておわかりの通り症例数が少なく有用な情報かどうかは微妙なところです。
視床出血は、視床が脳深部に位置しており、外科的手術が困難であることから症例数が少ないものと思われます。

CT分類被殻出血
CT分類視床出血


なお、予後を予測する際には、画像所見やADLに関する変数を投入した方がより予測精度は高くなるといわれています。

以下の記事も運動麻痺やADLの予後予測に使えますのでご参考にしてくだだい。
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参考資料


1)金谷春之,湯川英機,他:高血圧性脳出血における新しいneurological gradingおよびCTによる血腫分類とその予後について.高血圧性脳出血の外科Ⅲ,第7回脳卒中の外科研究会,265-270,にゅーろん社,東京,1978
2)後藤文男,福内靖男:脳血管障害の治療と予後に関する多施設共同研究第2報  視床出血.脳卒中.1992; 14:72-78.

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