2017/06/22

球脊髄性筋萎縮症の概要とリハビリテ-ション






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今回は球脊髄性筋萎縮症の概要とリハビリテ-ションについての記事です!

なぜこのマニアックな疾患について書いたかというと、今日の朝に新患で担当させていただくことになった患者さんがこの疾患で、久々に担当するものだったので忘れてしまっていたからです(・ω・)ノ

情報量が少ない疾患であり、臨床ですぐに情報を拾いたいときに困ったので、アップしておこうと思いまして…

この記事が少しでも皆さんのお役に立てば嬉しいです♪




それではいってみましょう!



■目次


 ▶1、球脊髄性筋萎縮症とは
 ▶2、臨床症状と経過
 ▶3、診断基準
 ▶4、発症頻度
 ▶5、原因
 ▶6、治療法
 ▶7、リハビリテーションと医学的治療
 ▶8、参考資料

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1、球脊髄性筋萎縮症とは


球脊髄性筋萎縮症はSBMA(Spinal and Bulbar Muscular Atrophy)やKAS(Kennedy-Alter-Sung症候群)と呼ばれています。
男性のみに発症する遺伝性下位運動ニューロン疾患であり、神経難病に指定されています。


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2、臨床症状と経過



主症状:四肢の筋力低下及び筋萎縮手指や顔面の振戦球麻痺
合併症:女性化乳房など軽度のアンドロゲン不全症や耐糖能異常脂質異常症


30-60歳ごろに発症することが多く経過は緩徐進行性
筋力低下に先行してよくみられる症状としては、手指・顔の振戦有痛性筋痙攣、女性様乳房強調文があり、健診などで肝機能障害や高CK血症を指摘されて診断に至ることもある。

発症後10年から20年で筋力低下が進行し車椅子・臥床生活を余儀なくされる。

死亡原因の多くは呼吸不全であり、呼吸筋力低下と球麻痺を基礎に上気道感染あるいは誤嚥から肺炎や痰による窒息を併発する。



難病情報センターHPより引用  
神経症候は、下位運動ニューロンである顔面、舌及び四肢近位部優位の筋萎縮及び筋力低下と筋収縮時の著明な筋線維束性収縮が主症状。四肢腱反射は全般に低下し、上位運動ニューロン徴候はみられない。手指の振戦や筋痙攣が、筋力低下の発症に先行することがある。喉頭痙攣による短時間の呼吸困難を自覚することもある。深部感覚優位の軽徴な感覚障害が、特に下肢遠位部でみられることもある。進行すると嚥下障害、呼吸機能低下などが見られ、呼吸器感染を繰り返すようになる。睾丸萎縮、女性化乳房、女性様皮膚変化などの軽度のアンドロゲン不全症候がみられる。血液検査では、CKが高値を示すことが多く、耐糖能異常、脂質異常症、軽度の肝機能異常、ブルガダ(Brugada)症候群を合併することがある。





臨床家の一見解レベルではあるが、やせてくることは予後不良の徴候と言われています。




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3、診断基準


診断基準は上記の症状を満たすものであり、以下のように評価します。


<球脊髄性筋萎縮症の診断基準>
A、神経所見:以下の神経所見(ア) (イ) (ウ) (エ)のうち2つ以上を示す。
 (ア)球症状
 (イ)下位運動ニューロン徴候
 (ウ)手指振戦
 (エ)四肢腱反射低下
B、臨床所見と検査所見
 ①成人発症で緩徐進行性
 ②発症者は男性で家族歴がある
 ③アンドロゲン不全症候(女性化乳房、睾丸萎縮、女性様皮膚変化など)あり
 ④針筋電図で高振幅電位などの神経原性変化あり
C、鑑別診断が出来ている
D、遺伝子診断
 アンドロゲン受容体遺伝子におけるCAGリピートの異常伸長

上記のABCを全て満たすもの、またはAとDの両方を満たすものを球脊髄性筋萎縮症と診断します。


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4、発症頻度


正確な数値は不明。国内では推定2000-3000人程度と言われているようです。

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5、原因


アンドロゲン(男性ホルモン)の受容体の遺伝子異常により起こります。X染色体長腕近位部に位置する、アンドロゲン受容体遺伝子第1エクソン内にあるCAGの繰り返しが38個以上に異常延長している(正常36個以下)ことが原因と考
えられています。つまり、男性ホルモンが神経障害の発症や病態の進行に関与している可能性があるということになります。


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6、治療法


未確立。男性ホルモン抑制療法について臨床試験が進行中です。


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7、リハビリテーションと医学的治療


症状の進行に応じた運動療法とともに、誤嚥予防などの生活指導を行い、耐糖能異常、脂質異常症などの合併症に対して医学的治療を行います。



運動療法については、嘉手川ら(2002)がKennedy-Alter-Sung症候群に対する筋力トレーニングの有効性の報告が参考になります。

外来リハにて筋力トレーニングと基本動作を指導し、それらを自主訓練として施行してもらった結果、ADL(BI)と筋力(MMTかつ等運動性筋収縮測定機器)が改善を認めたということであり、軽症例に対しては自主訓練を行えば訓練後に筋力の改善も得られる可能性があるようです。

症例数は7例だけと限られており、比較デザインも検討の余地がある論文ですが、リハビリテーション介入効果の報告はほぼ皆無だったので参考になります。


なお、球脊髄性筋萎縮症の症状としてみられる振戦に関しても参考になる報告がありました。
筋力低下が生理的な振戦の増幅因子として関与している可能性が推定されている(勝岡ら:2000)ようです・・。

症状の進行やADL低下を食い止めるためにも、負荷量を調節しながら筋力維持・強化を図るトレーニングを行うことが重要かもしれません。




また、球脊髄性筋萎縮症の死因は上述した通り呼吸不全が多いです。胸郭可動性維持・改善や呼吸法、生活指導を行うことはもちろん、上気道感染や誤嚥、痰による窒息や肺炎を併発による急速な呼吸不全に陥る可能性があることを常に念頭に置いておきましょう。特にこれに注意が必要なのは、筋力低下が進行して歩行補助具が必要な状態までADLが低下してきてた時です!

論文ではまだ出てないけど、学会発表などでは嚥下機能低下と筋力低下は負の相関があることが色んな所で報告されており、上記のような状態になってきた時には嚥下障害も顕在化してきている時であるようですよー。


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8、参考資料


・嘉手川 淳,他:Kennedy-Alter-Sung症候群に対する筋力トレーニング.リハビリテーション医学.2002;39(8):451-456.
・勝岡 宏之,他:Kennedy-Alter-Sung症候群患者にみられる振戦の特徴とその発症機序.臨床神経生理学;2000:28(3):254-260.
・向井 栄一郎:球脊髄性筋萎縮症の最近の経過と予後.神経内科治療.8(5);1991: 519-522.


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以上で今日は終わりです。

最後までお読みいただきありがとうございました!
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