2017/08/17

免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)実施時の看護・リハ時の注意点






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免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)は神経内科疾患の患者さんを担当した際などによく目にすることがあると思います。IVIg中には、色々と気をつけなければならない点があるので看護やリハを行う際には注意が必要です。

今回は「免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)実施時の注意点」をリハ視点から簡単にまとめてみました。



■目次


 ▶IVIgが試みられている疾患
 ▶IVIgの投与方法
 ▶IVIgの作用・効果
 ▶IVIgの副作用と重症度、対策、リハ時の注意点
 ▶参考資料

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IVIgが試みられている疾患


まず、IVIgが試みられている疾患を挙げると以下のようなものがあります。冒頭で述べた通り、神経内科の患者さんを担当した際によくみると述べた理由がわかると思います。

保険適応
◉特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
◉川崎病
◉慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)
◉ギランバレー症候群(GBS)

血液疾患
◉自己免疫性溶血性貧血
◉自己免疫性好中球減少症
◉抗リン脂質抗体症候群に伴う反復流産
◉Passive immune thromocytopenia

膠原病・血管炎
◉多発性筋炎(PM)、皮膚筋炎(DM)
◉全身性エリテマトーデス(SLE)
◉若年性関節リウマチ
◉Weganer肉芽腫症
◉結節性動脈炎
◉チャーグ・ストラウス症候群(CSS)

神経疾患
◉多発性硬化症
◉重症筋無力症(MG)
◉難治性てんかん(小児)

内分泌疾患
◉自己免疫性甲状腺炎

アレルギー性疾患
◉喘息
◉アトピー性皮膚炎
◉急性移植片対宿主病(GVHD)



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IVIgの作用・効果


IVIgの作用・効果は一応以下のような仮説が提唱されているようですがいまだ結論は得られていないようです。

◉補体の自己抗体への結合を抑える
◉自己抗体の働きを抑えたり、自己抗体産生を抑える
◉リンパ球の増殖や異常な免疫反応を起こしている物質(炎症性サイトカイン)を抑える
◉T細胞機能の変化と接着因子の抑制  などなど…

※IVIGの効果はおおよそ2週間から3カ月程度持続する

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IVIgの投与方法


標準的な投与方法は0.4g(8ml)/日/体重を5日間連続点滴静注します。投与開始の始め1時間は0.01 ml/kg/分で投与し、徐々に速度を上げて0.03 mL/kg/minとします。重大な副作用がなければ翌日からは最高速度で投与されます。

対象疾患によって投与量や投与期間が異なります

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IVIgの副作用と重症度、対策、看護・リハ時の注意点


主な副作用:頭痛、肝機能障害、紅斑、・紫斑、倦怠感など
開始30分以内に認められる副作用:頭痛、悪寒、筋痛、胸部苦悶感、全身倦怠感、発熱、悪心など 
IVIg中、終了後に認められる副作用:無菌性髄膜炎、皮疹、尿細管壊死、血栓塞栓症、低Na血症、顆粒球減少症 など


免疫グロブリン 治療経過と副作用




<副作用と重症度>
◉軽症:頭痛、悪寒、悪心、発熱、疲労感、筋痛関節痛、血圧上昇、血圧低下、皮疹など
◉重症:ショック、アナフィラキシー、脳梗塞、心筋梗塞、深部静脈血栓症、急性腎不全、心不全、肺水腫、肝機能障害、溶血性貧血、白血球減少、血小板減少など
投与開始から30分以内は特に重篤な副作用に注意。特にショック(呼吸困難、頻脈、喘息、喘息様症状、胸内苦悶、血圧低下、脈拍微弱、チアノーゼなど)に注意!



<副作用の対策と看護・リハ時の注意点>
副作用が出た場合、すみやかに主治医へ報告。投与速度を遅くすると症状が軽減することがあるが、絶対に勝手に投与速度を調整してはいけない。

病院によっては、IVIg開始直後はVital測定や自覚症状の聴取を数分単位で確認する場所も多いです。看護師さんは指示に従って適宜Vital測定と症状のモニタリングを行いましょう。リハスタッフは、このような場合は治療の邪魔になるのでリハ介入は避けましょう。


なお、投与時にリハ(運動)を行う場合の注意点は以下のようなものがあげられると思います。

◉離床を行っても良いか主治医に確認(病院によって管理が異なることが多いが、座位やPトイレまでが一般的。理由は以下のとおり。)
全身状態が不安定になりやすく、体力を消耗しやすい状態になっている。離床を行う場合は適宜Vital測定を行って段階的に、そして自覚症状の訴えなどに十分配慮して慎重に行う。
薬が高値であり、専用の瓶が破損したり抜去しないように注意が必要。
血液粘性が高く静脈血栓症の発症リスクが上昇するため、弾性ストッキング着用足関節底背屈などの下肢運動深呼吸などの循環を促すような運動療法の実施と指導を行うことが望ましい。



これらを考えると、IVIg投与中の看護・リハは「ベッドサイドで消耗性が低い運動かつ、血液循環を促すような内容を行う、もしくは指導することが望ましい」と考えられます。


IVIg中の積極的な運動療法はメリットとリスクを考えるとリスクの方が大きいと個人的に考えます。ここで無理な介入を行って患者さんにしんどい思いをさせて悪い印象を持たせなくても、対象になる患者さんはIVIg後に良くなってくることも多いので、その時に頑張ってリハをしてもらいましょう。


5日もあると廃用進みますけどね。
ただ・・廃用が進みにくいように座位程度の運動やactive ex程度の運動を適宜実施していただけるように十分な指導は徹底しておきましょう。


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参考資料


1)重症筋無力症診療ガイドライン2014 Ⅲ.成人期発症MGの治療各論:https://www.neurology-jp.org/guidelinem/pdf/mg_03.pdf
2)慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー、多巣性運動ニューロパチー診療ガイドライン2013 Ⅰ. 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー 02-各論:https://www.neurology-jp.org/guidelinem/cidp/sinkei_cidp_2013_03.pdf
3)ギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群診療ガイドライン2013 04-治療:https://www.neurology-jp.org/guidelinem/gbs/sinkei_gbs_2013_05.pdf

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