2017/10/29

姿勢・アライメントの評価と治療②:補足)円背と頭部前方変位(上位交差症候群)






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以前に重心線とモーメントの記事を公開しましたが、今回はそこからちょっと発展してよくみられる不良姿勢とその治療のための運動療法についての記事を連載中です。




各姿勢の特徴を掴めば評価はより簡単になり、治療は自ずと決定するので、姿勢・アライメントの評価と治療が苦手な方は是非見てみてください!



連載記事は以下のラインナップで順にお送りしており、前回は腰椎前弯姿勢(下位交差症候群)についてお話しました。
今回は、前回の腰椎前弯姿勢やその他の全ての姿勢で伴いやすい円背と頭部前方変位(上位交差症候群)について補足のご説明をしていきます♪

最後までお読みいただいた方にはとっておきのプレゼントもありまよ(*´꒳`*)





【姿勢・アライメントの評価と治療】
腰椎前弯姿勢(下位交差症候群)
補足)円背と頭部前方変位(上位交差症候群)
③フラットバック(平背)
④スウェイバック(後弯-平坦姿勢)
※これまでに掲載した記事は上記の文字↑をクリックすれば見られます。






■目次


 ▶1、姿勢の4つのパターン
 ▶2、円背と頭部前方変位とは?
 ▶3、特徴
 ▶4、治療方法(概要)
 ▶5、治療方法(エクササイズ)
 ▶6、参考資料

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1、姿勢の4つのパターン


よく見かける姿勢には4つのパターンがあります。


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>kendall 筋:機能とテスト―姿勢と痛みより改変引用



正常
腰椎前弯姿勢(後弯-前弯姿勢)
フラットバック(平背)
スウェイバック(後弯-平坦姿勢)



本日はこれらの全ての姿勢でも伴いやすい「円背と頭部前方変位」についてご説明していきます♪


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2、円背と頭部前方変位とは?


円背とはその名前の通り背中(胸椎)が丸くなり猫背になっている状態のことをいいます。また、円背の状態になると胸椎は後弯して背中の部分が後ろに下がり、その分だけ重心が後ろに下がるので頭を前方に移動してバランスを取ろうとするため頭部前方変位が必ず伴いますので、この2つはセットとして考えましょう。

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3、特徴


少し前述しましたが、円背と頭部前方変位の特徴を挙げると以下の通りになります。

胸椎が後弯し連動して頭部前方変位が生じます。
◉また、胸椎後弯が生じる際には頭が前に移動するだけでは目線が下がってしまいますので、目線を上げた状態に保つために頚椎を伸展するような代償も生じます。よって、頚椎伸展筋群は短縮、反対の頚椎屈曲筋群は延長した状態になるような姿勢になります。
◉さらに、胸椎は後弯すると肩甲骨が外転する運動連鎖が起こり、前述したように胸椎後弯によって起こる重心の後方移動の代償も補おうとするため、肩が前に出てしまいます。つまり、円背により、頭部前方変位だけではなく肩も前に出てしまいますので背部の筋群は延長、前胸部の筋群は短縮します。
◉このように円背と頭部前方変位では、頭部~胸椎部を矢状面からみると対側の筋肉のアンバランス(短縮or延長)がみられます。



[短縮筋]
・頚部後方:後頭下筋群、僧帽筋上部線維(※僧帽筋上部線維の作用は肩甲骨の上方回旋なので、肩甲骨が下方回旋している場合は上部線維は短縮ではなく「延長」になる。肩甲骨を見て下方回旋の場合は肩甲挙筋が短縮)など
・前胸部:大胸筋、小胸筋、胸鎖乳突筋、斜角筋など


[延長筋]
・頚部前方:椎前筋群、舌骨筋など
・背部:僧帽筋中部・下部線維、菱形筋など(※肩甲骨が下方回旋の場合はこれらは延長ではなく「短縮」)





こういう風に記述すると難しいようですが、頚部前方の筋と背部の筋が延長し、頚部後方と前胸部の筋が短縮すると考えると簡単です。

このような身体上部で交差するように問題が起こっていて症候を生じるような状態を、上位交差症候群といいます。


円背(頭部前方変位)姿勢≒上位交差症候群と覚えておきましょう。


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これらのことから、円背と頭部前方変位が治療できると良い理由は

・見た目の改善
・力学的な身体負担の軽減
・疼痛の改善
・全身の筋力の改善
・バランス能力の改善
・動作効率の改善
・呼吸機能の改善
・持久力の改善
・代謝の改善
・嚥下機能の改善 etc...


たくさんメリットがありますね!
治療家の方々は抑えておきたい重要なところです。


では、具体的にどうしたらこれが治せるのかをご説明します。

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4、治療方法(概要)


テクニックはなんでも良く、上記のそれぞれの短縮筋群をリリース&ストレッチしたり、延長筋群を収縮させて元の長さと緊張具合に戻してあげれば良いだけです。


ただし、前回も記事でご説明した通り、一つ一つの箇所をやっているとかなり時間がかかり、全身を同時に治療していかなければ効果は乏しいので、以下のようにピラティスをメインに用いて全身を一気にまとめて治療していきます。


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5、治療方法(エクササイズ)


円背と頭部前方変位(上位交差症候群)に対する治療は上述した筋のアンバランスを整える目的で行っていきます。



<エクササイズの目的>

◉頚部伸展筋群の伸張
◉頚部屈曲筋群の強化
◉前胸部筋群の伸張
◉胸椎伸展
◉上背部の筋群の強化





<エクササイズ内容>

※エクササイズ内容は前回の腰椎前弯姿勢と似ています。なぜなら腰椎前弯姿勢には円背と頭部前方変位を伴いやすいためです。


◉スワンダイブ(修正)
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◉リバースプランク
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◉スイミング(修正)
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◉サービカルノッド
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今回は円背と頭部前方変位の姿勢を修正するエクササイズを掲載しました。
しかし、このエクササイズの患者への運動方法の誘導はこのブログを見ただけでは絶対に真似できませんので、同じことを見よう見まねでやっても患者さんの代償動作はコントールできないと思います。そのため、これで効果を出すことはかなり難しいですが、こんな感じの運動がいいよーということをお伝えしたいので一応形だけ掲載させてもらいました。


どれほど難しいかは以前にブリッジのエクササイズの記事を挙げていますのでそちらを見ていただければわかると思います。
見よう見まねでやっても効果がない!効果的なブリッジの方法をマスターしましょう♪



きちんと手技を習得したいという方は今回のピラティスの運動療法を僕に教えてくださったPHIピラティスのコースを受講されると良いと思います。
PHIピラティスジャパン  
※PHIピラティスをご紹介していますが、これ宣伝したからといって僕には全くメリットはありません(笑)。僕はMatⅠ&Ⅱインストラクターとプロップスの資格を取った際に講義を受けてみて、本当に良いと思ったのでご紹介しているだけです。ご参考までに!








ちなみに・・・

ここまで見ていただいた方だけにとっておきのプレゼントエクササイズをご紹介します。
今回、上記ではご紹介していませんが、個人的にはリブケージアームズというエクササイズが円背と頭部前方変位の改善に最も有効だと思っています。
びっくりするぐらいに効果的で、臨床上でも大半の患者さんに使えることが多いのでちょーおすすめしたいです!ポジショニングして仰向けで寝られる方であればほぼ全例使えるため、僕は担当する患者さんの8割方に自主練習として指導しています。


◉リブケージアームズ
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※枕を外した状態で骨盤と肋骨のニュートラルポジションがキープできていなければ効果が出ません!



動きとしては、以前のブリッジの記事にあるニュートラルポジションをキープしつつ、顎が上がらないようにしながらバンザイを行うだけというなんともシンプルな方法です。円背や頭部前方変位で困られておられる方は、ブリッジの記事のニュートラルポジションを読んで頑張ってやってみてください。気持ちいいエクササイズなので患者さんも喜んでやってくれますよ!

お試しあれ♪



よくある代償と修正方法


今回ご紹介したようなエクササイズを見た方の中には、「こんな運動は急性期ではできない」とか「認知機能が悪いから自分の患者さんには使えない」とか言ってやらなかったり諦めてしまう方がおられるかもしれませんが、工夫すれば意外に多くの患者さんに使えます。上手く提供できるのがプロの仕事だと思いますので、以下のような方法などを用いて適切な誘導を行いましょう。

・骨盤が前後傾したり肋骨、顎が浮いてしまう⇒ASISや肋骨、顎の動いてしまいやすい箇所に軽く手を置いてあげて動いたら感覚入力が入ってわかりやすいようにしてあげる
・顎が浮いてしまう⇒足元に目線を固定してもらう
・両膝が離れたりくっついてしまう⇒ティッシュ箱を縦にして膝の間に挟む(過剰に内転筋が効いてしまわないように潰さない)
・両側上肢が挙上とともに内外転しすぎてしまったり、内旋してしまう⇒ティッシュ箱を横にして手の間に軽く挟む(握り込むと大胸筋が過剰に効いてくるので指は伸ばしておく、挙上方向に親指を向けておくと良い)
・フラットなベッドだと顎が上がりすぎて苦しくてねられない⇒苦しくない範囲で頭部の高さが調整できるようにタオルなどを入れる(エクササイズ中にどんどん姿勢が改善してくるので様子を見ながらタオルの高さを調整する)、ベッドアップ角度が調整できるベッドで傾斜角を調整して行う(徐々にフラットにしていく、フラットでもできるようになればマットの材質も硬いベッドで行うように行う環境を変えていく。例:病室ベッドからリハ室ベッドなど)




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参考資料

















【速報】2017.11.14
ピラティスは元々、第一次世界大戦中にJoseph H. Pilatesが考案した負傷兵のリハビリテーションを目的として開発された身体調整法です。今では体幹トレーニング、フィットネスと認識している人が多いですが、RCTなども多数報告されているエビデンスが立証された運動療法です。この本はそんなピラティスのメディカル系にも精通するインストラクターの先生方、総勢20名が執筆した世界に類がないピラティスの専門書。部位別アプローチやスポーツに特化した現場に特化した内容が掲載されている本の発売が開始されました!







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以上で今日は終わりです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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